ITエンジニア不足の正体:供給過剰になる「従来型IT人材」と、ニーズが増す「先端IT人材」

日本のIT業界で叫ばれている「エンジニア不足」。しかし、その内実を正確に理解しているでしょうか。

経済産業省によるIT材育成の状況等についてでは若年層の人口減少に伴って、2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回りIT人材は減少に向かうと予想されていること、人材の平均年齢が2030年まで上昇の一途をたどり高齢化が進展することでITエンジニアが不足すると言われています。

これを引用することで、多くの情報サイトやYoutuber(特定のURLへ誘導するアフィリエイトビジネス)やエンジニア育成サービス業者が未経験者に対しエンジニアを目指すことのメリットを説いており、コロナ禍による他業種の業績悪化もこれを後押ししたことで、2000年から5年ごとに平均13%(9.8万人増)であった増加率が2020年からは3年間で32%(35万人増)となりました。
急激に増加したITエンジニアは区分上《IT人材》と一括りされていますが、どれほど戦力なっているのでしょうか。
不足すると考えられる《高度IT人材》となって活躍する為には相応の経験が必要です。

ITエンジニアの9割は受託企業又はSES企業に従事していると言われており『未経験応募可能!』といった文言によってSES企業に応募したエンジニア志望者の多くが汎用機やオンプレミス環境の運用保守、テスターやQAエンジニア、果てはサーバー監視や携帯基地局設置に関する調査、コールセンターオペレーターなどエンジニアとしては全くスキルにならない案件に送られる状況が未だにあります。

行政機関や金融機関、企業の基幹システムが古い設備のまま存続する中、これらに従事するベテランの引退によって抜けた穴を埋めるべく未経験者にCOBOLの研修を行って送り込むSES企業はエンジニア本人の未来を本当に考えているとは言えません。
ずっと同じような案件にアサインされ続けたことで年齢に応じたキャリアアップができない場合もあり、エンジニアの未来を考えていないSES企業の典型です。


1:2030年の残酷な予測「足りない」のは誰で、「余る」のは誰か

経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」を読むと、ITエンジニアになりさえすれば誰でも高い賃金でフルリモート生活ができるわけではないことがわかります。
同省による、IT人材を従来型IT人材と先端IT人材に分けて需給ギャップを試算(IT 人材需給に関する調査)した結果では従来型IT人材はいずれ供給が需要を上回り、先端IT人材は需要が増え続けるため不足するとされています。

先端IT人材(高度IT人材)とは進化したIT技術を用いてビジネスを発展させる人材と考えられるので、具体的にはクラウド系インフラエンジニア、データサイエンティストなどのビッグデータを扱うエンジニア、VR,ARといった映像系エンジニア、IoTやAIやブロックチェーンなど先端技術を扱うエンジニアと考えられます。
また、最上流からデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担うITコンサルタントや大規模かつ高度なプロジェクトを統括するPMといった人材が不足していくといった背景をこれらから読み取ることができます。

ITエンジニアをキャリアアップできない(させない)ことがITエンジニア不足の大きな理由であるなら、ITエンジニアが大多数所属するSES企業の意識変化がこの問題解決に重要であると考えます。

1-1. 従来型IT人材の「需要マイナス」

かつてシステム会社を支えたメインフレームの保守案件や、定型的な受託開発。
これらに従事する「従来型IT人材」は、クラウド移行やDXの進展、AIによる自動化によって、将来的に需要が供給を下回る(=余る)と予測されています。 これは、これまで「エンジニアになれば安心だ」と信じてきた人々にとって、キャリアの基盤が崩れることを意味します。

1-2. 先端型IT人材、最大79万人の「空白」

一方で、AI、ビッグデータ、クラウドネイティブ開発、IoT、サイバーセキュリティ、そしてモダンなWebシステム開発を担う「先端型IT人材」の需要は爆発的に増え続けます。 2030年に予測される最大79万人の不足とは、この「先端領域を担えるエンジニア」の空白です。
企業は喉から手が出るほど人材を求めているのに、市場には従来型のスキルセットを持つ人材しかいない。
この「スキルの不一致(ミスマッチ)」こそが、エンジニア不足の正体です。


2:なぜ「従来型」から抜け出せないのか? SES業界が抱える構造的罠

エンジニア本人に成長意欲があっても、環境がそれを阻むケースが多々あります。特に、旧態依然としたSES業界の構造には、エンジニアを「従来型」に留めておく強力な力学が働いています。

2-1. 「現状維持」が利益を生む歪んだビジネスモデル

多くのSES企業にとって、既存のレガシーシステムの保守・運用案件は、安定した収益源です。
スキルが固定化されたエンジニアを、同じ現場に何年もアサインし続ける。これによって企業は教育コストを抑え、安定したマージンを得られます。 しかし、その影でエンジニアの市場価値は日々、目減りしています。
10年後、そのシステムが廃止されたとき、残されるのは「他では通用しない古い技術」だけ。

企業は必要なエンジニアを新たに採用すれば済みますが今まで貢献してきたエンジニア本人はどうなるでしょうか。
これが、イズムが危惧する「エンジニアの使い捨て」の構造です。

2-2. 変化を恐れる「低単価・多重下請け」の連鎖

多重下請け構造の下部にいる企業は、薄利多売で回っています。高還元SESの多くは利益がほぼなく、500人以上を抱える大手SESでも年間利益は数百万円もない場合もあります。
これらの会社では営業一人で数十人のエンジニアを担当しているために一人ひとりのスキルを見て、未来を見据えたアサインなどできるはずもなく、簡単にアサインできる多重下請け案件。
そこで求められるのは「今すぐ動く手」だけ。小規模現場の運用保守や軽微な改修案件が待っています。
これでは先端型IT人材へのキャリアアップなど夢のまた夢。
業界の構造そのものが、エンジニアから未来を奪っているのです。


3:難易度の高い案件への挑戦機会を提供することこそイズムの価値

イズムはこの現状に真っ向から立ち向かいます。「エンド開拓により最先端技術を利用した案件を獲得しつづける」こそが、エンジニアを守る唯一の手段であるという確信があるからです。

3-1. 難易度の高い案件の獲得と挑戦

スキルの高いエンジニアは需要に対して供給が圧倒的に不足しているため、必然的に市場価値(単価)が上がります。 イズムが難易度の高いエンド案件に拘るのは、エンジニアの将来に役に立つ経験をしてもらいたいからです。

ハイスキル専門SESとしてクライアントに対し高い付加価値を提供、信頼を得て更に求められる企業となる。
この循環の中でエンジニアは将来にわたって揺るがないキャリアを得ることができます。

3-2. エンジニアとしての誇りがもたらす「心の幸福と成長」

「頼んだら解決してくれそう」「自分は現場から必要とされている」という実感は、エンジニアに自信を与えます。
最先端の開発現場で、高度な課題を解決し、クライアントから信頼される。
「自己肯定感」を醸成し、常に新しいことを学び続けられる「知的好奇心の充足」は心の幸福と成長につながるのではないでしょうか。
難易度の高い案件を経験し、なんども挫折しそうになりながら技術を磨いた末にたどり着いた先、自らの経験を今度はリーダーとして若手に伝えていく立場になることでしょう。


4:業界構造を変える――イズムが目指すSESの「新基準」

エンジニア不足を嘆くのではなく、エンジニアが不足しない「仕組み」を創る。それが私たちの使命です。

4-1. 「技術力」の提供

私たちは、単に人を貸し出す「人出し」ではありません。
クライアントの課題に対して、最適な技術解を提案し、自律的に動くプロフェッショナル集団として振る舞います。 SES(準委任契約)のメリットを活かし、多様な現場で経験を積みながら、特定の企業に依存しない「真の自立」を促します。

4-2. 2030年、勝ち残るエンジニアの共通点

2030年、従来型IT人材が供給過剰に陥る世界で、生き残るのは誰でしょうか。
それは、技術の陳腐化を予測し、常に「需要が供給を上回る場所」へ自分をアップデートし続けられる人です。
イズムは、そのような「変化を楽しめるプロフェッショナル」のプラットフォームでありたいと考えています。


イズムが守り抜く「幸福」のカタチ

IT業界の二極化は、もはや避けられない現実です。 しかし、その変化を「リスク」と捉えるか、「チャンス」と捉えるかで、エンジニアの人生は劇的に変わります。

私たちは、SESというビジネスモデルを通じて、エンジニアをこの荒波から守り、さらにはその波に乗ってどこまでも高く飛べるように導きます。

全従業員が、技術を愛し、仲間に恵まれ、正当な対価を得て、心からの幸福を感じる。 その先にこそ、真に強い、エンジニア不足に負けないIT業界の未来があると信じています。

株式会社イズムと共に、新しい業界の構造を、そしてあなた自身の新しい未来を、創りませんか。

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