「エンジニアなら、事業会社(自社サービス)を目指すべきだ」
そんな風潮が業界には根強くあります。しかし、ビジネスの構造を冷静に紐解いたとき、そこにはエンジニアが直面する「意外な真実」が隠されています。
今回は、私たちが掲げる「人生のライフプランを実現してほしい」という最重要目標を達成するために、なぜSESという働き方を「逆手にとる」べきなのか。事業会社との構造的な差、そして年収を跳ね上げる戦略について解説します。
1. 事業会社(自社サービス)の主役は誰か?
自社サービスを持つ企業において、エンジニアは「プロダクトを育てる主役」のように語られます。
しかし、サービスが一定の規模を超えたとき、実質的な主導権を握るのはエンジニアではありません。
主役は「マーケター」?
既にあるサービスの追加開発や保守がメインフェーズに入ると、開発の優先順位は技術的な優劣ではなく「ビジネス上の数字」で決まります。ここで、SaaSなどの事業会社における役割のグラデーションを見てみましょう。
データが繋ぐ「意思決定」の序列
SaaSビジネスでは、膨大なユーザーデータが意思決定の源泉となりますが、それぞれの役割は明確に異なります。
| 職種 | 具体的な役割 |
| データエンジニア | 散らばった生データを収集し、分析可能な形に整える「土台」を作る。 |
| データサイエンティスト | 統計学や機械学習を使い、高度な予測モデルやアルゴリズムを構築する。 |
| データアナリスト | 整備されたデータを集計・可視化し、「何が起きているか」の現状を抽出する。 |
| マーケター | これら全てのデータを「解釈」し、事業の方向性を決め、首脳陣へ提案する。 |
ここで重要なのは、データアナリストが出した数字を「どう解釈し、どんな施策(改修)を打つか」を決めるのはマーケターであるという点です。
彼らはエンジニアやデータ専門職が作り上げた武器を手に、会社を大きくするための「絵」を描き、経営層へプレゼンを行います。
エンジニアはその「描かれた絵」を具現化するための実行部隊となり、自分の技術的好奇心よりも、マーケティング上のPDCAサイクルに最適化された開発を求められることになります。
2. 「年収450万」という現実とライフプランの危機
私たちが最も大切にしているのは、エンジニアが「人生のライフプランを実現し、幸福になること」です。
結婚、子育て、マイホーム、趣味、親の介護。人生のあらゆる幸福なイベントには、どうしても「お金」がかかります。しかし、dodaの調査によれば、SESエンジニアの平均年収は約450万円と言われています。
※出典によっては350万円という数字もあります
この数字のままでは、SESのエンジニアが豊かに人生を送ることは非常に困難です。
「SESは年収が低いのは仕方ない」と諦めるのか、それとも、「SESという仕組みをハックして、年収を上げるのか」。
この選択が、人生の幸福度を決定づけるのではないでしょうか。
3. エンジニアの年収は「スキル」と「アサイン」で決まる
エンジニアにとって、年収アップは基本的には「市場価値(スキル≒キャリア)」と連動しています。
事業会社にいると、サービスで使われている技術スタックや、開発体制に固定されがちです。
しかし、SESには「案件を渡り歩ける」という最強のカードがあります。
「来年を見据えたアサイン」という戦略
私たちは、このカードを「逆手にとる」ことを考えます。
単に人手が足りない現場に放り込まれるのではなく、「来年の自分を高く売るための仕込み」として案件を選ぶのです。
「今は製造~テストの保守改修がメインだが、それでは自身の価値向上は見込めない。次は、新規PJで詳細設計から経験し、クラウドネイティブ(AWS/Kubernetes)の構築経験が得られる現場を狙う」など戦略的に価値を高めるために案件アサインを進めます。
自分のキャリアという「事業」のポートフォリオを、自らの意志で組み替えていく。
「自分の市場価値を最大化するために、次の案件(環境)を選べるべき」なのです。
4. 結論:キャリアアップを優先し未来を掴む
事業会社のマーケターが会社の規模拡大を決定づける主役なら、エンジニアはどうすればよいのでしょうか。
- 戦略的アサインによって、最短距離で高単価なスキルを獲得する方法は?
- 上がった市場価値を背景に、年収を劇的にアップさせる方法は?
- 増えた収入によって、ライフプラン(幸福)を実現することはできるのか?
SESという働き方は、正しく活用すれば、事業会社では数年かかるキャリアステップを1年で駆け抜けるための「加速装置」になります。
「マーケターが考えた改修」をこなすだけの日々に甘んじる必要はありません。
来年の、そして5年後の自分を幸福にするために。戦略的に案件を選び、市場を味方につける。
それこそが、私たちが理想とするエンジニアの在り方です。
あなたの今の現場は、来年のあなたを幸福にしてくれますか?
もし答えに詰まるのであれば、一緒に「戦略的アサイン」の計画を立てましょう。あなたの人生の主役は、他の誰でもない、あなた自身です。

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